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2012年01月28日

ただの木っ端とあなどるな誤差1ミリの世界。

室内の空気を少しでも快適にするために工夫された材料の紹介をしていました。そのつづきです。

『木鏝(きごて)』
ただの木っ端とあなどるな誤差1ミリの世界。
左官職人の道具、鏝にも木製があります。
どういう時に使うのでしょう。


広い壁なのである程度材料を塗りつけて区切りをつけます。
その棒切れで一体なにをしているんですか。
ただの木っ端とあなどるな誤差1ミリの世界。
アート?模様?
この木の棒は『定規』と呼びます。
壁に定規を水平に当てることで、どのくらい壁を平らに塗れたかを計る道具です。
土を塗りすぎているところを掻き落としたときにできた模様。


ただの木っ端とあなどるな誤差1ミリの世界。
こちら定規をタテヨコに当てることで土が少ないところを判別しています。
見た目はただの棒切れなので、ある現場で焚火にされそうになったとか。

ただの木っ端とあなどるな誤差1ミリの世界。
真ん中あたりには木の跡が入っていません。
土が十分塗れていないということ。
この跡があるところと無いところの誤差は、なんと1ミリ。

ただの木っ端とあなどるな誤差1ミリの世界。
修正を加えました。
定規の跡がついて網目模様になりました。
これで平らになったことがわかります。
こうやってしっかり下地の段階で真っ平にしておくことで仕上がりがとても美しくなります。
ただの棒切れだと、あなどることなかれ。
暖を取ったりなんかしちゃダメです。


ただの木っ端とあなどるな誤差1ミリの世界。
いよいよ『木鏝(きごて)』の登場。
定規の跡がついているので一旦“ならし”ます。
"ならす"ために使うのが『木鏝』です。
職人自ら手作りしています。
市販もありますが気に入るものがないと出来るかぎり何でも手作りします。
ただの木っ端とあなどるな誤差1ミリの世界。
『木鏝』である程度平らにしたら次は『鏝』で“中塗り”という工程の最終仕上げ。
画像向かって左側と右側では滑らかさが全く違います。

ただの木っ端とあなどるな誤差1ミリの世界。
『中塗り』の工程は終わりです。
これが乾けば次回は仕上げの『上塗り』という工程に移ります。
漆喰に色土を交ぜたものを施します。



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