› 左官屋の嫁はん日録 › 2012年08月

 

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Posted by あしたさぬき.JP at

2012年08月06日

自宅でスッポン料理を。

前回の近所の溝でスッポンを捕獲したときの記事に引き続き、スッポン料理に至るまでを書きたいと思います。

ご存知の方も多いと思いますが、そこらへんの川や池で捕まえた生き物を食べようとするときは必ず『泥抜き』が必要です。
この作業を怠ると、とてもじゃありませんが臭みで食べられたものではないそうです。

スッポンの場合『泥抜き』は水道水を一日一回取り替えるだけです。
それを一週間忘れることなく続けます。あとエサは与えてはいけません。

一日に一回ですからそんなに難しいことではないです。
ただ魚と違ってスッポンなわけですから作業中に噛まれたりしないよう細心の注意は必要です。
子どもにも手伝わせましたが、水道の蛇口をひねってもらう程度にしておきました。

泥抜き最終日。
朝一番に水を替えてきました。バケツを覗いてもほとんど水は濁っていませんでした。
一週間なにも食べずにいたスッポン、空腹でぐったりする素振りもなく普通に動いています。
ただ、捕獲した初日に比べると少し元気がない感じです。
初日は脱走を試みていたのか、休むことなく一晩中バケツを引っ掻き回す音がしていたのはさすがに不気味でした。


さて、スッポン料理の方法をどうしましょうか。
主人に「ネットで調べてやってみる?」
と聞いてみましたが、さすがに「嫌や」と断られました。当然ですね(笑
しかし捌き方の動画や、細かく説明してくれているブログ、レシピ特集なんかも出てきました。
本当にインターネットの情報量はすごいですね。

そこで知り合いの現役の板さんにお願いすることにしました。
「(スッポン料理)したことあるけど20年ぶりやから上手くいくかなぁ~」
と言いながらも“出刃包丁”持参でわざわざ家まで来て下さいました。いわゆるケータリングですね、スッポン料理の!しかも間近で見れるという。

刃がしっかり手入れされているのがよく分かります。鈍い光を放っています。


ここからは少しだけスッポンを料理している画像や手順がUPされていきます。
グロテスクそうなものは省いているつもりですが、とりあえず先に断っておきますね。

立派な水かきがついています。
大きさは甲羅の長さ約23cm。重さ約900gほど。性別不明。大きいほうだそうです。

ところで、魚などは“捌く”と表現します。
スッポンもそうなのかと思いきや、板さん曰くスッポンの場合は“つぶす”と言うんだそうです。


軍手で触れば滑りにくいし噛まれたときも大怪我をせずに済みます。
またスッポンをつかむときは、後ろ足に近い方を両手でしっかりと。
スッポンは首がものすごく伸びるので体の前のほうをもつと噛まれます。
また万が一噛まれた場合、引っ張ったりせずに水の中にもどしてやって、じーっとしていれば放してくれるそうです。雷は待たなくて良いです。

まずはスッポンを裏返して首をつかむチャンスを見計らいます。
裏返したほうがスッポンからは敵(板さん)が視界に入りにくく、また足に力が入らないので逃げられることも回避できます。
とはいえ、お腹を押さえておかないと首をにゅっと伸ばしてうねらせ、一瞬で体勢を立て直します。
ほんとうに亀と似ているとはいえ身のこなしの早さに驚くばかりです。

にゅっと伸びた長い首に狙いを定め、迷うことなくガッシりと掴んだら、そのまま勢いよく捻ります。

まずは首を切り落とします。首を捻ったときにはすでに亡くなっているように見えました。
捻るとき激しい痛みが伴うのか、かなり暴れ、もがきます。
さっきまで生きていた、一週間ようすを見てきた生き物が命を失う瞬間です。
本当に息を飲みました。
月並みですが、食べ物(命)を頂くというのはこういうことなんだな。と感動すらしました。



首を落としたスッポンを逆さまに持ち、瞬時にボールに生き血を移します。
生き血は赤ワインで約5:5の割合で割りました。もちろん画像はワインと割った後の色です。

甲羅?の途中あたりから切れ目を入れていきます。
固い骨があるようで出刃包丁を使っていても、かなり力が入っているように思いました。
刃の薄い包丁で“つぶす”と刃が折れてしまうそうです。
私の家には出刃包丁は無かったので、やはり自分で“つぶす”のは無理がありました。

切れ目を入れたところから甲羅を剥がし食べれる部分、出汁が取れる部分を分けます。
一度見ておくと自分でも出来そう?と思えますが、排泄物が溜まる内臓を破いてしまうと臭みで食べられなくなるらしいので、やっぱり慣れている人でないと難しそうです。
それにしても“つぶす”という表現がぴったりくるような気がします。

そこで見つかったのがタマゴ!メスだったんですね。
スッポンの産卵期は6~7月。捕まえられたあの場所でタマゴを産もうとしていたのでしょうか。

臭みを消すためか生姜のスライスをたくさん入れていました。
しっかり出汁を取り、スッポン鍋の準備がはじまりました。

スッポンとの出会いから料理まで。レポートはもう少しつづきます。  
タグ :スッポン


Posted by 嫁はん at 19:07Comments(2)日常あれこれ