› 左官屋の嫁はん日録 › 2012年03月

 

この広告、メッセージは90日以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事でこのメッセージが消せます。
  

Posted by あしたさぬき.JP at

2012年03月21日

“三和土”なんと読むでしょう。

『三和土』

正解は“たたき”でした。
“さんわど”ではありませんよ。正解した方は、かなりマニアックですね!


さて今回の左官現場は詫間町 居酒屋『えびす』さん。
増築&リフォームのようです。

「年配の方にくつろいでもらえる落ち着いた雰囲気の居酒屋にしたい」
というオーナーさんの意向で左官職人の主人もお手伝いをすることになりました。



それで『三和土』って?
主に土間に使う工法の名称です。
材料:土・石灰・藁スサ・にがり(塩化カルシウム)

これらを適度な配合でまぜ合わせたものをタンタンとひたすら叩いて固めます。
もともとセメントが無かった時代に地面を固めるために使われていました。



新装開店したらこちら側が正面入り口になるのでしょうか。
“三和土”の土間はこの入り口の足元に施工します。

この“三和土”の土間を新たに作る現場というのは無いに等しいかもしれません。
古い民家の台所の土間がこの“三和土”です。
いちどは見たことありませんか。

タンタンとひたすら叩きます。それだけです。
赤いラインのところまで敷き詰めます。

こんなサクサクな土が叩いたくらいで本当に固まるんでしょうか。
土壁の材料はもっとべチャっとしているので不思議です。

見た目はこんなですが、ぎゅっと握ると何とか固っています。





冬場、高速道路やよく凍結する道路沿いに置かれているコレ。

“三和土”の材料のひとつ『塩化カルシウム』ようするに人工の“にがり”です。
海水から取れる“にがり”で作ることもできますが、やはり高価ですからネ・・・。
天然のものは豆腐に使いますね。

その昔、豆腐屋の土間が えらく強固だったことから“にがり”を混ぜるきっかけとなったそうな。



ある程度、材料を敷き固めたら続きをひたすら。


個人的な見解ですが学校のグラウンドって、えらく固いと思いませんか。
コケたりすると凄く痛くて本当に土なのかと疑うくらいです。

運動会などで石灰の粉でラインを引きますよね。
あのラインはわざわざ消すことはせず、雨に流され、子どもたちに踏み荒らされ自然に元の土と混じり合いながら消えていきます。
一番のポイントは“子どもたちが踏む”ということ。そして石灰が混ざっていること。

しかもグラウンドが出来てから長年踏みしめられては石灰や雨水も混じり、また踏み固められの繰り返し。
“三和土”とまではいきませんが近いものがあると考えています。
だからあんなにビクともしないくらい固くなっているのではないか、そう思うのです。


店舗の入り口が“三和土”になれば、なかなか渋い感じになるんではないでしょうか。
画像の外壁も左官壁になる予定です。
また現場が進みしだいUPしていきます。
  


Posted by 嫁はん at 18:13Comments(2)居酒屋えびす さん