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2012年01月27日

ここちよい空気を室内に取り入れるために。

左官壁を施すには土壁の上にだけにしか塗れないの?そんなことはありません。


いま、高松市のとあるお宅でリフォームのお手伝いしています。

現場撮影に行く途中の うどん屋さんにて昼食を取っていましたところ急に停電が。
と思いきや、ブレーカーが落ちただけでした。どよめく客。
暗闇の中で店内を囲むように出来た長蛇の列に、ほぼ満席の店内。
テレビも消え、完全に静まり返った中で、うどんをすするお客さん。ゆらめく湯気。
風景は異様にシュールでした。

ほんの数十秒の出来事でしたが「もうしわけありませ〜ん」の声。
でもなんだか慣れてるようにも見えましたが。
ちょっと楽しかったですけどね。
そこの細切り昆布の天ぷらがおいしかったです。
余談でした。

ここちよい空気を室内に取り入れるために。
こちら鉄筋コンクリートの住宅。
コンクリートだということと築年数が経っていたので、ずいぶん湿気が貯まっていたようです。
そこで お施主さまは全面リフォームをされることに。

ここちよい空気を室内に取り入れるために。
少しでも室内の空気が呼吸できるよう木材をふんだんに使用されています。
呼吸する、といえば調湿効果のある土壁も。
地がコンクリートなので完全に土壁と同じ効果は期待できません。
それでも『する』か『しない』かでは雲泥の差です。

コンクリートの上に土や漆喰を塗る。
ナイロンシートを貼付けるか。
そんなイメージです。
“木材”の壁と“土壁”の組み合わせで調湿効果を持たせる試みです。


この日、左官職人が施工したのは『中塗り』という段階。
●めちゃくちゃ大まかな土壁の基本●

下塗り

中塗り

上塗り 終了。

ここちよい空気を室内に取り入れるために。
グレー色の壁はラスボードという石膏の板です。
下地が土壁ではないので、ラスボードで代用しています。
ザラザラに見えるのは、これから塗る土を塗りやすくするため、土が引っ掛かりやすくするためです。

今回こちらのお宅に施工する予定なのは『中塗り』&『色土入り漆喰』です。

ここちよい空気を室内に取り入れるために。
中塗りの材料です。
中身は土、砂、藁スサ、竹炭です。
土、砂はともかく藁スサはヒビ割れ防止の繋ぎとして入れるものです。
藁スサの量が多めだと割れ防止効果が上がります。
ここちよい空気を室内に取り入れるために。
そしてチップ状の『竹炭』。
今回は中塗りの材料の中に混入させました。
『漆喰』と『竹炭』が持つさまざまな効果は私が説明するまでもないので省略いたします。

『竹炭』と『土』そして『漆喰』の自然の素材が持つ相乗効果を期待したい!
そんな お施主様の提案と左官職人の知恵を合わせ協力することになりました。

よりここちよく過ごせる環境が整うまで、あと一息です。
完成まで、またレポートいたします。


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