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2012年04月13日

居酒屋えびす【ひび割れの壁】

前回の記事にて紹介していた“ひび割れ仕上げ”の壁が完成したと聞いて現場に駆けつけました。

左官壁で嫌われる“ひび割れ”が仕上げになるってどういうこと?




三たび目やって参りました詫間町『居酒屋 えびす』さん。
また少し外観の雰囲気が変わったようです。
居酒屋えびす【ひび割れの壁】


遠めから全体。
居酒屋えびす【ひび割れの壁】
なにやら瓦と瓦の間に薄っすらと模様が見えます。


居酒屋えびす【ひび割れの壁】

このひび割れ具合、どこかで見たような気がしませんか。
干上がった田んぼのようにも見えます。
※材料などの詳細は前回の記事
なかなか渋めな仕上がりになりました。

あえて作った『ひび割れ仕上げ』左官の仕事はこんなこともできます。
あくまでも“ひび割れ”なので衝撃をあたえたり、指で押すと崩れますよ。



それにしても、どうしてこんなに均一な“ひび割れ”になるのでしょうか?

ひび割れの大きさも変えることが出来るそうですが、“ひび割れ”を起こさせるには材料の混ぜ合わせ方にコツがあるそうです。
居酒屋えびす【ひび割れの壁】
ひび割れ前の塗りたての壁。

私は単純に材料の中の水分が飛んで(乾燥して)ひび割れているだけだと思っていましたが、どうもそうではないそうです。
混ぜている材料に関係するそうですが、それらがいったいどういう働きでひび割れを起こしているのか納得したくて根掘り葉掘り聞いていました。

小学校の教科で例えると理科でしょうか。
残念ながら素人に分かりやすく説明できなかったので今後主人の課題になりました。
代々教わってきた左官知識を『そういうものなんだ』で何気なくやってきたそうです。
まぁそれこそ、そんなもん。だと思いますが今一度 “なぜ、そうなるのか” にちょっと立ち止まってみてもいいかもしれません。

果たしてこの課題、きちんと提出されるのでしょうか。




さて、お次は外の壁です。
もうなんかすでに塗られていますが、これで完成ではありません。
居酒屋えびす【ひび割れの壁】
お店の看板も大切ですが、こちらの居酒屋さんは道路沿いですから見た目の第一印象はもっと大切…な気がします。


仕上げ方法は『掻き落とし仕上げ』
居酒屋えびす【ひび割れの壁】
壁のサンプルです。
この4マスの内のどれかをオーナーさんが選ばれました。


“掻き落とし” って?

これも言葉の通りです。
(引っ )掻いて(土を)落とす。という意味です。

居酒屋えびす【ひび割れの壁】

真鍮(しんちゅう)のワイヤーブラシを使って壁の肌を表現します。




「あ、今度寄ってみようかな。」

道行く人に、そう思わせる壁に仕上げることができるでしょうか。



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