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2012年06月19日

半紙はん分の薄さ!青い壁。

今回は『大津磨き壁(おおつみがきかべ)』の作業風景です。
以前サンプル作りを紹介していた記事に材料や仕上げの詳細などを書いています。

そして現場は古い土壁の再利用や土佐漆喰を使ったりしたお家です。

床の間2つの壁を仕上げれば完成です。
半紙はん分の薄さ!青い壁。
朱と青の二色が見え隠れしています。
お施主様の意向で二つの床の間は二色になります。


青い壁のイメージはフェルメールブルーで。
フェルメールは天然ウルトラマリンを使用しましたが左官職人は、ごく普通の顔料です。
半紙はん分の薄さ!青い壁。

この技法は半紙のさらに半分の薄さで材料が塗られます。
息を飲むような作業なので声をかけることは許されません。

半紙はん分の薄さ!青い壁。

えー、ちなみに施主の奥さまと立ち話していた時のこと。
奥さまの肩に巨大ケムシが乗っかってるのを発見したのは良いのですが、お互いに払いのけることが出来ず慌てふためいていました。
思わず「ちょっとー!取ってー!!」と助けを求めましたが完全にムシされました。
ケムシは私の主人の靴を履いて表へ出た奥さまにより無事?その靴で対処されました(笑
刺されなくてよかったですし、作業が失敗しなくて良かったですホントに。

半紙はん分の薄さ!青い壁。

仕上げに布で、そっと拭き取ります。
柔かな布で拭き取っているのは水分。
内部から水気が上がってくるので拭き取らないと光沢がでません。
もちろん掃除するようにゴシゴシ勢いよく拭いたらダメです。

半紙はん分の薄さ!青い壁。

正直、フェルメールブルーにはほど遠いドギツイ色ですね。

半紙はん分の薄さ!青い壁。

乾いてくると、ここからもっと色味が薄くなり味が出てきます。
完全に乾くまで数週間ほどかかるでしょうか。

半紙はん分の薄さ!青い壁。
↑↑↑作業の工程が前後しますが、ご覧ください。飾り棚が映っています。(影じゃないですヨ!)
これが磨き壁の特徴です。

半紙はん分の薄さ!青い壁。

この青い床の間が完成したら、古い木製のお雛様を飾りたいそうです。
また飾られたときを見せてもらいに行きたいです。
似合うと良いです。

半紙はん分の薄さ!青い壁。

次回は朱色の大津磨き壁の作業風景をお送りします。








タグ :大津磨き壁

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この記事へのコメント
左官さん

コメントありがとうございま〜す(^O^☆♪
左官仕事は材料も去ることながら奥の深いお仕事ですよね!
左官さんのように拘りを持つことも、もちろん大切だと思いますが、その未知な部分を開拓、日々精進しつつお仕事の幅を広げていきたいですよね!
お互い頑張りましょうね(^_−)−☆
Posted by 嫁はん嫁はん at 2012年07月07日 23:26
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