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2012年05月28日

土佐の漆喰(しっくい)を使って。

土壁の塗り替え、そして古い土壁を再利用した現場のつづきです。


敷居を真ん中に、向かって右側の壁に再利用した中塗り(なかぬり)壁の材料を塗っています。
土佐の漆喰(しっくい)を使って。
これから中塗りの次に【上塗り(うわぬり)】という工程に移ります。
ようするに最終仕上げです。

土佐の漆喰(しっくい)を使って。
用意した仕上げ用の材料。
土佐漆喰・本漆喰少々・粗めの藁すさ・水 のみです。



【土佐漆喰(とさじっくい)】とは何でしょう?
土佐の漆喰(しっくい)を使って。
『強く・固い』それが土佐漆喰。
普通の漆喰よりも、さらに強いそうです。

普通の漆喰との違い。(※ここで挙げる普通の漆喰とは“本漆喰”を指す)
●本漆喰… 石灰・麻スサ・フノリ・水
●土佐漆喰… 石灰・藁スサ・水

本漆喰のようにフノリを入れません。
その代わりに稲ワラのスサを発酵させて石灰と混ぜ合わせています。
発酵した稲ワラの繊維はとても細かくなって材料のなかに残るので壁の強度が上がるそうです。

雨風の強い高知県(石灰の産地で有名)の気候に耐えられるよう、工夫されているようです。
土佐漆喰の歴史は、幕末~明治初期に作られた材料です。

また材料は、すでに練った状態の“練り製品”で販売されています。(たいていは粉末)
なので『土佐漆喰』を自分で作るということは、まずありません。土佐漆喰に何かの材料をプラスすることならあります。

土佐の漆喰(しっくい)を使って。
『土佐漆喰』は真っ白くありません。
塗ると黄土色で、これは稲ワラの色です。

それで、しばらく経つと白くなります。
↑↑↑画像のように、だんだんと白くなっているのがわかります。
塗ったところ全てが白くなるまでの期間は、環境によって変わりますが。

土佐の漆喰(しっくい)を使って。

今回は和紙のような風合いを出すために、大きめの藁スサを入れてみました。

土佐の漆喰(しっくい)を使って。

画像クリックすると大きく見れます。

土佐の漆喰(しっくい)を使って。

仕上がりの画像です。
これから歳月を掛けて色味に変化が起きてくると思います。


タグ :土佐漆喰


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