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2011年07月02日

くぐり門修復~思い切ってはがしちゃいます編~

前回のブログに引き続きまして「くぐり門」の修復過程をお送りいたします。


今回の ひび割れ の原因は下地の問題でした。

ひび割れ自体「くぐり門」全体の割合からすると大した大きさではありません。
素人の嫁はん目線では、ほんの一部割れてしまっているだけのようにも見えました。


はじめ、お客様からも「ここだけ直せるかな?」とのご要望。

ここだけ、を直せないわけではないのですが・・・。
ただ、この部分だけ漆喰で直しても、もともとのペンキの色と漆喰の色合いが明らかに違うので目立ってしまいます。

しかしそれよりも大切なことが。
下地に問題があると、いくら上から塗っても雨や気候などで膨張⇔乾燥を繰り返し、いつかまたどこからかひび割れて来てしまう恐れがあります。

それじゃあ一部だけ直しておいても長持ちしないよね、ということでお客様から門全体の修復工事を承りました。



まずは表面の風化した漆喰&ペンキを思い切って剥がしてしまいます。
くぐり門修復~思い切ってはがしちゃいます編~





ああ、土壁ってどんな状態でも風合いだったりで、それも有りなんよなぁ。
好みやこだわりにもよるけど、それも自然素材の良さなんかも!?
*注意*ひとりごとです!



そして水気に耐えられるように下地の総やり変え。
「半田土」という材料の登場です。

くぐり門修復~思い切ってはがしちゃいます編~



この「半田土」といいますのは高知県発祥の土佐漆喰を混ぜたもの。
土佐漆喰はスタンダードな漆喰と違って硬い!
硬いということは水気に強い。

「土佐漆喰」はもちろん高知県の土壁によく使用されています。
そして「半田土」という材料は、その高知県の“蔵”に用いられる工法だそうです。
蔵に用いられるわけですから、そりゃあ丈夫なわけなのです。

くぐり門修復~思い切ってはがしちゃいます編~




「半田土」の施工途中の土壁。



タグ :漆喰土壁

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