› 左官屋の嫁はん日録 › 2012年06月04日

 

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Posted by あしたさぬき.JP at

2012年06月04日

ひょうたんナマコの作製風景。

前回の記事に引きつづき、ひょうたん海鼠(なまこ)の作製風景を少しだけ、ご紹介いたします。


そろそろ梅雨入りしそうな天候です。
屋根の上の現場撮影が重なったので、上り下りに慣れてきました。
慣れも大切ですね。ムリをしない程度に!


ひょうたんを繋げた漆喰のレリーフの現場です。
材料の詳細は前回の記事にて紹介しています。
少し、ざっくりとした質感です。




このようなレリーフ、細かな模様などの作業の場合、周りが汚れないよう“養生テープ”を貼ります。
ほとんど貼らずに、下書きをしてダイナミックに作業に入る職人さんもいます。
方法は職人それぞれ、です。

使用している鏝は“匙鏝(さじごて)”です。

彫刻に似た作業(例えば鏝絵↓↓)をするときに使用します。


特に今回のような現場には、もって来い、大活躍です。
これも立派な左官用の鏝になります。



匙鏝の両端は微妙に異なった形になっています。
耳かきのような部分は「ほじる」ことには使わず膨らんでいる方で押すようにして溝やラインを作ります。

とてもとても繊細で綿密な細工をするときに活躍するのがこの「匙鏝」です。
漆喰の鏝離れを良くするために焼きが入っています。


あとは下書きに合わせながら材料の盛り付け具合のバランスを取りつつ、ただひたすら一つひとつ進めていきます。
模様やレリーフの形が複雑になればなるほど時間がかかります。

“匙鏝”の他に小さな鏝も使用。


矢切部分は黒の砂壁。
ひょうたん海鼠が完成すれば、矢切の高いところへ『家紋』を飾れば、この現場は完成です。


左官職人のお仕事は土壁を塗るだけではなく、このように細かな作業もあります。