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2012年05月30日

左官屋の、ひょうたんつぎ。

左官職人が作った“ひょうたん”とは?


よく見てください。
左官屋の、ひょうたんつぎ。
一つひとつが“ひょうたん”になっています。

これは漆喰(しっくい)で作ったレリーフ、土蔵にも見られる海鼠壁(なまこかべ)の“なまこ”です。
材料の基本は漆喰ですが、“寒水石(かんすいせき)”という半透明の白い砂を混ぜています。
レリーフは立体なので盛り付けがしやすいようにと、ひび割れ防止に混ぜています。

左官屋の、ひょうたんつぎ。

“ひょうたん”が格子状に連結している、繋がっているのを勝手に“ひょうたんつぎ”と表現してみましたが…


さて、これはどこに作られたでしょう?







左官屋の、ひょうたんつぎ。
そう、屋根の矢切部分です。
“ひょうたん”だけでなく、家紋も漆喰で作ります。


決して“ひょうたんつぎ”が作りたかったワケではありません(笑
【以前の記事】にも書いていますが『瓢箪』に由来する縁起の良さに、あやかり、このデザインを提案してみました。


(ここだけの話、この“瓢箪海鼠(ひょうたんなまこ)”は地元では珍しいですよ。)


左官屋の、ひょうたんつぎ。
私が現場に駆けつけた時には、すでに瓢箪作りは終わっておりました…残念。
あともう一つ矢切が残っているので、最後のチャンスに賭けてみたいと思います。

左官屋の、ひょうたんつぎ。
端っこに模様を彫りこんでいます。
この“ひょうたん”たちは、一つひとつ小さな鏝(こて)で塗り上げているんですよ。



この帯の部分、半円柱になっています。
左官屋の、ひょうたんつぎ。

“棒漆喰(ぼうじっくい)”と呼びます。
半円柱でなく、角が立っていても“棒漆喰”です。このくらいの幅のことを言います。
ちなみに年配の職人さんは“紐(ひも)”と呼び、漆喰とは付かないそう。

しかし、これも小さな鏝で作るの?なんか大変そう。


左官屋の、ひょうたんつぎ。
そんなとき活躍してくれるのがコレ。
【海鼠鏝(なまこごて)】もしくは【面鏝(めんごて)】
主人はそう呼んでいますが、職人さんによっては自分が呼びやすい馴染みのある呼び方をされるので完全なる正式名称というものは、ちょっと分かりません。


年齢層、あと香川県の東西でも道具や施工した物の呼び方が変わるものが結構あるそうです。
県外となると同じ左官職人の間でも通じない単語もあったりして。
とりあえず呼び方なんて意味が通じればテキトウでええんや、そんな気がしました。


また最後ひとつ残った矢切に、ひょうたんを作っている途中の画像を納めたいと思います。
左官屋の、ひょうたんつぎ。



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